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家庭で役立つ東洋医学

月経不順、月経困難症、不妊症 について


 中国隋時代の医聖、孫思バク(そんしばく)はその著書「千金方」(せんきんぽう)の冒頭に婦人病を置き、「一国興亡は多く婦人が鍵をもつ」とその偉大さを著す反面、「婦人は噂欲多く、慈恋愛憎、嫉妬、憂恚を以って情自ら抑制せず、したがって病根も深く、治療しても好転し難い」とも著している。総体的に婦人は繊細で感じやすく、情緒的になりやすい。中には心も身体もかきむしるように感じる人も少なくない。このような状態が長くつづくと東洋医学では“気滞”(きたい)という状態となり、自律神経系内分泌系の適度のバランスが保てなくなり身体の調子がくずれる。又、婦人の場合、妊娠、出産、子宮出血という特異機能のため東洋医学的に″血滞″(けったい)(基本的にはうっ血状態から始まるいろいろの病状)が起りやすい。環境の影響として日本は湿度が高いうえに自動車、冷暖房、冷蔵庫の普及による発汗の減少や冷飲食によって余分な水分を身体に溜め込みやすい。東洋医学では、このような状態を″水滞″(すいたい)と呼ぶ。特に太った人で味の濃い物、油っぽい物の摂りすぎの人は水滞がすすみ痰湿(たんしつ)水毒(すいどく)の状態となり、内臓機能の低下を招いて不妊症など婦人病が起ることも多い。実際には気滞、血滞、水滞が単独ではなく複雑にからみ合い発症する。

 
鍼灸治療する場合「同病異治」「異病同治」の基本原則により@関元(かんげん)A血海(けっかい)B三陰交(さんいんこう)C脾兪(ひゆ)を用い、自然界と人間はつねに感応していると考える。東洋医学では変った治療法として″亥の目の灸″(亥の刻、午後九時〜十一時の間に男女ともD腰眼穴に灸をする)という不妊症治療法がある。

 
漢方薬療法では顔色が悪くつやがない、皮膚がかさかさして潤いがない、月経周期の延長、月経量が少ない、無月経がみられる人には四物湯(しもつとう)、前記の症状があり貧血や手足が冷え、頭痛のある人には当帰弓薬散(とうきしゃくやくさん)、体力がなく精神不安のある無月経の人に加味逍遙散(かみしょうようさん)、体力があり、のぼせやすく、手足が冷え、肩が凝り、顔の赤みのある人で無月経、月経過多、月経困難症の人には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、月経周期の延長、月経過多、不性器出血などには、キュウ帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)、月経周期が一定しない、月経痛あるいは無月経、月経月に乳房が張って痛むなどには四逆散(しぎゃくさん)と漢方は多岐にわたる。

 
薬草療法では紅花を一日3グラム煎じて飲むのもよいし、子宮出血にはヨモギの乾葉を一日20グラム煎じて飲むとよいといわれている。



 
 
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