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もともと、人間は二本の足で立ち、生活する上で、その身体の構造上、重い頭部や腕を正常にささえ、引っぱり挙げなければならないために、首や肩にかけての筋肉群は、いつも反射的に緊張状態にある。その上になれない手仕事や一定の姿勢が長く続く時、あるいは全身が疲労している時など、簡単に肩コリが起こる
又、肩コリを起こす原因となる病気は数多いが、その多くは、心因性・ストレス性のものである。いつも心が緊張していて、イライラしていると、全身の筋肉特に左右の肩の筋肉に力が入って肩がコルのである。この場合、漢方薬療法では精神安定作用のある柴胡竜骨牡蠣湯(さいこりゅうこつぼれいとう)や酸棗仁湯(さんそうにんとう)などを用いることが多い。症候性のものについてみると、高血圧、結膜炎、鼻炎、五十肩、歯槽膿漏、風邪などによる肩コリには葛根湯(かっこんとう)。婦人科のいわゆる“血の道”による肩コリには加味消遥散(かみしょうようさん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)。慢性腎炎による肩コリには八昧丸(はちみがん)。胃炎、胃酸過多症、胃下垂症、胃アトニー症等の人にくる肩コリには半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)や真武湯(しんぶとう)や理中湯(りちゅうとう)。などその薬方は多岐にわたる。
鍼灸療法の場合、基本的には天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、肩井(けんせい)、肩中兪(けんちゅうゆ)、曲池(きょくち)を用いて気血(きけつ=人体を循る調整作用を機能的なものと、物質的なものに分けると、機能的なものを“気”、物質的なものを“血”と呼ぶ)を調節し、その症状や原因によっては他の穴(つぼ)も使いわける。
薬草療法では、干したヨモギ(蓬)=図1、ひとにぎりを熱湯で5分ほどしみ出させ、1日3回飲むとよいし、冬期に採集したクズ(葛)=図2の根(漢方薬、葛根湯の材料)を適宜煎じて飲むのもよいといわれている。又、首、肩の関節のストレッチやなわとびなどの適度な運動も効果的である。
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